2011年5月からドイツにてオペアを経験





わだ ゆうこさん

私は2011年5月から10ヶ月フランクフルト近郊でオペアをしていました。
パパがドイツ人でママが日本人の日独家庭で5歳と7歳(終了時)の男の子のお世話をしていました。

ママは常に日本語で子どもたちに話すので、彼らは日本語の理解はよくできましたが話すのは苦手でした。
私は日本で保育士をしていたので子どものお世話自体には戸惑いはありませんでしたが、バイリンガルのお子さんをお世話するにあたっては幾つか苦労しました。

オペアが始まった当初は下の子はほとんど日本語が話せませんでした。上の子とはだいたい会話が成り立っていましたが時々分からず、『辞書で調べるからゆっくりドイツ語で言ってみて』なんてやりとりをしていました。 しかし8月に上の子が小学生になり、下の子と二人きりの時間ができました。今まではお兄ちゃんが言ってくれるから話さなくてもよかった下の子ですが、嫌でも話さないといけなくなりました。結果を先に言えば、ものすごく話せるようになりました。でもそこまでくるのにお互いとても苦労しました。

私は私と過ごすことが苦痛な時間にならないように歌や手遊び歌を一緒にやって努力しました。下の子は一生懸命色々な言葉を吸収して努力してくれました。前半期は歯磨きや体を拭くということをさせてくれなかった彼ですが、後半期は嫌がらずにさせてくれるようになって大変感慨深いものがありました。そしてよく日本語の意味を質問してくるようにもなりました。日本にいるおばぁちゃんにも『電話したい』と自分で言ったこともありました。 上の子とは普段は問題なく過ごせ、始めからとても楽しく過ごさせてもらいました。ただ日本語の勉強を一緒にする時に質問されたことや、分からないと言うところの説明によく困りました。
日本語が話せるからといって教えられる訳ではないということを改めて実感しました。特に彼らはドイツ語の環境にいるので日本語の環境なら自然に身に付く感覚などが乏しいので説明も分かりやすいものでないといけませんでした。

振り返れば苦労もありましたが、決して苦痛な時間ではなく貴重な体験となりました。 ドイツでの生活は私にとって初めての海外生活でした。ヨーロッパにいくつかの国々には一人旅をしたことがあったのですがドイツは行った事もないのにいきなり住んでしまいました。もちろん住んでいる近くに友達は皆無。日本で出会ったドイツ人女性がベルリンにいる程度でした。

オペアが始まって少ししてフランクフルトにあるVolks hoch Schuleというところにドイツ語を習いに行きました。色々な国から成り立つ生徒たちでしたが英語を話せる人がほとんどいなく、またドイツ語初心者のクラスの私たちはコミュニケーションに苦労しました。語学学校で友達を作るぞ!と思っていたのになかなか気の合う友達に出会うまで時間がかかりました。しかし、フランクフルトという土地柄のせいか色々な国の人たちと知り合うことができて面白かったです。なでしこジャパンが優勝した次の日なんかは先生やクラスメイトのブラジル人に『おめでとう』とお祝いされました。
なかなか気の合う友達ができなかったので自分なりに色々なところへ顔を出す努力しました。その間はガストファミリーが週末にロッククライミングやレストランなどに連れていってくれることもあり有り難かったです。

一人でコンサート、お祭り、ディスコ、バーなど色々なところに出かけた結果、何人かの気の合う友達ができました。
ドイツ人のお友達は英語が話せる人がほとんどだったので、みんなドイツ語の苦手な私に英語に訳してくれたり親切にしてくれました。色々なところに勇気を出して行ってみることは大切だと思いました。 長くなりましたが、思い切って日本を出てドイツでオペアをして本当に良かったと思っています。引っ越し、ドイツ語、電車の乗り方など色々と苦労する事も多かったですが、どれもこれもとても良い経験になりました。

他人の家庭で生活する事はお互いに努力しないといけないこともあっていい面ばかりではないですが、貴重な経験となると思います。是非とも素敵なガストファミリーに出会ってオペアに挑戦してみて下さい。






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